<一発必中シリーズ書籍 第3弾>
ダイ塗布の流動理論と
塗布欠陥メカニズムへの応用および対策
【はじめてのダイ塗布プロセスの欠陥にも対応できるアプローチとは!】
【40年間、塗布の研究と実務に従事した著者が、対処・抜本対策を解説】
★一発必中シリーズでは、かゆいところに手が届く書籍を目指し、技術課題やノウハウに具体的に焦点を充てています。
◎ 欠陥の原因メカニズムの理解と、それに基づく対策立案のための1冊!
書籍番号 | M023(ダイ塗布) |
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Cコード | C3058 |
発刊日 | 2015年7月30日 |
ISBN | 978-4-86428-121-8 |
体裁 | B5判並製本 約100頁 |
価格(税込) |
43,200円 ( S&T会員価格 41,040円 ) 定価:本体40,000円+税3,200円 会員:本体38,000円+税3,040円 早割価格(発刊日まで):38,016円 ( S&T会員価格 36,072円 ) 定価:本体35,200円+税2,816円 会員:本体33,400円+税2,672円 アカデミー割引価格30,240円 |
発行 | サイエンス&テクノロジー |
問い合わせ |
(有)アイトップ TEL:0465-20-5467 E-mail:ktl@r4.dion.ne.jp フォームでのお問い合わせはこちら |
著者 |
上席化学工学技士 [元・富士フイルム(株) フェロー] 宮本 公明 氏 【著者紹介】 1974年 京都大学 大学院化学工学専攻 修了 1974年 富士フイルム(株) 足柄工場に入社配属し、スライド塗布による写真製造の技術スタッフとして従事 1981年 ミネソタ大学 化学工学材料科学科に留学し、高速塗布の理論研究(空気同伴現象の理論解析)に従事 1982年 富士フイルム(株) 生産技術部にてカーテン塗布の研究開発に従事 2000年 富士フイルム(株) アメリカ工場にて塗布機建設と感材生産の技術スタッフを統括 2008年 富士フイルム(株) R&D統轄本部 フェロー就任 2014年 退職 40年に渡り、塗布の基礎研究/開発研究と種々の材料の塗布の実務に従事した。 |
趣旨 |
「塗布」は、(1)動的接触線という固体—液体—気体の三相界面が存在する (2)自由表面流がある (3)安定な層流が必要である という際立った特徴を持つプロセスである。そのため、流体力学だけでなく、表面間力や自由表面に働く毛管力を考慮しないといけない。しかも、実務の上では、安定な流れを阻害するものがあると、多くの場合塗布欠陥として商品にできないものになってしまうリスクがあり、種々の物性が安定操業の成否を決めたり、数多くの経験がないと欠陥を解決できなかったりといった困難を伴っている。 |
送料 | 当社負担(国内) |
目次
<< ここがポイント! >> 本書は、ダイ塗布を中心に、その使用制約条件と発生の可能性のある塗布欠陥の発生メカニズムを解説しています。長年の経験から、初めて見た欠陥を対策するには、過去の類似欠陥の例に当てはめて対策するのではなく、理論的に発生メカニズムを解明することが解決に繋がると信じております。このため、塗布に関連した理論についても、必要最小限の部分を平易に解説しました。 ■第1章では、粘度、表面張力、濡れ性についての基本的な説明以外に、塗布に関連した定義の仕方や現象の捉え方を説明します。 ■第2章では、潤滑理論、フイルムプロファイル方程式、境界層理論について、どのような塗布流動に適用されていて、式の意味することの実用上の意味が何かを解説しました。流動理論の多くはナビエ-ストークス方程式を多用しますが、本書では簡単な式の解法で説明しました。 ■第3章では、三種しか無いダイ塗布方法それぞれの歴史を通して、技術のポイントを明らかにするとともに、前章の理論を用いて、なぜ塗布量に制約があるのかを解き明かします。 ■第4章では、ダイ塗布を用いた新規材料の創出例について、その背景にある典型的なメカニズムを抽出しました。自己組織化と撥水性パターニングのモデル考察を行い、条件設定の指針を得ています。 ■第5章では、これまでの説明を踏まえて、種々の欠陥についてメカニズムの解明、それに対処する方法、対策を打つ場合に注意すべき点などを、いままでの章で述べた知識を活用して解説しました。 本書のようなアプローチは慣れるまでに時間がかかるかも知れませんが、その有効性は極めて大きいと思います。本書が、読者の皆様がエキスパートと呼ばれるための一助となれば幸いです。
第1章 ダイ塗布の概要 1 塗布って何だろう? ~塗布の定義~ 2 ダイ塗布の特徴は塗布量定量性 ~種々の塗布方式の比較~ 3 物性 3.1 粘度の定義は剪断応力の比例定数だけではない! ~塗布液の粘度~ 3.2 表面張力の定義は液面の張力だけではない! ~塗布液の表面張力~ 3.3 固体と液体の分子間力が濡れ性を決める! ~支持体の濡れ性~ 第2章 液膜の流動理論 1 序論 2 運動量の液中での収支を取ってみる! ~潤滑理論式の導出~ 3 潤滑理論の応用 3.1 スリット内の流れは放物線速度分布 ~スリット内の流れ~ 3.2 ダイリップ-支持体間の流れは放物線速度分布 ~スロット塗布のビード部流れ~ 3.3 自由表面のある流れも潤滑理論 ~スライド面上の流れ~ 4 フィルムプロファイル方程式 4.1 支持体面方向の流れは膜厚を変化させる! ~フィルムプロファイル方程式の導出~ 4.2 支持体が凸凹だと塗布液は凹凸を埋める! ~レベリング問題~ 4.3 表面の濡れ性の違いがハジキを発生させる! ~ハジキ問題~ 5 液中の固体壁のまわりには薄い液膜がある! ~境界層理論~ 5.1 液膜中の速度分布は単純な微分方程式で表せる! ~境界層方程式の導出~ 5.2 カーテン塗布のガイドバーの効果はブラジウスの効果と同じ! ~ブラジウスの境界層~ 5.3 カーテン塗布のヒール現象はサキアディスの効果 ~サキアディスの境界層~ 6 まとめ 第3章 ダイ塗布の特徴 1 ダイ塗布共通の特徴は何? ~ダイ塗布の種類~ 2 スロット塗布ではメニスカス形状が塗布量限界を決める! ~スロット塗布の歴史と特徴~ 3 スライド塗布では潤滑理論が塗布量限界を決める! ~スライド塗布の歴史と特徴~ 4 カーテン塗布では境界層理論が塗布量限界を決める! ~カーテン塗布の歴史と特徴~ 5 スロット、スライド、カーテン以外のダイ塗布はあり得ない! ~3種類のダイ塗布方式の差異の考察~ 第4章 新規材料創成への塗布の応用 1 序 2 プリンテッドエレクトロニクスでは粒子の好ましい配向制御が必要! ~粒子分散液塗布による構造形成~ 2.1 粒子分散物塗膜の例 2.2 球状粒子の構造形成メカニズム 2.3 平板粒子の構造形成メカニズム 3 タブーであった表面間力によるハジキ流動を利用! ~撥水性を利用したパターニング~ 3.1 パターニングの例 3.2 ハジキ現象のメカニズム 第5章 塗布欠陥 1 塗布欠陥の対策は、差別点による特徴付けから! ~序~ 2 リビングはほとんど全ての塗布方式で発生する! ~リビング~ 2.1 リビングの特徴 2.2 リビングの発生メカニズム 3 全ての高速塗布での最大の問題 ~空気同伴~ 3.1 空気同伴の特徴 3.2 空気同伴のメカニズム 4 支持体の凹凸が解消できなければ発生 ~レベリング~ 4.1 レベリングの特徴 4.2 レベリングのメカニズム 5 原因はさまざま!振動の周波数から考える! ~外乱による段ムラ~ 5.1 段ムラの特徴 5.2 段ムラの周波数特性 6 2層を重ねるときにはここに注意! ~界面不安定性による段ムラ~ 6.1 段ムラの特徴 6.2 段ムラのメカニズム 7 要因効果に着目! ~風ムラ~ 8 スロット・スライドで減圧が強いと失敗! ~ウィーピングとリブレット~ 9 発生箇所もさまざま!位置情報から異常を発見! ~スジ状欠陥~ 10 分子間力の仕業ではあるが・・・ ~ハジキ~ 11 欠陥対策は原因を除くことだけではない。メカの理解で対処法を考える! ~まとめ~