「 あなたのための シリコーンバイブル 」
◎既存書にはなかった、シリコーンユーザーの視点で書かれた「分かりやすい解説」と「現場に即した必要情報」がここに!
◎基本理解から製品活用・組成物設計に必要な視点と技術まで、シリコーンを扱う全ての方に贈る「バイブル」です。
書籍番号 | M022(シリコーン) |
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Cコード | C3058 |
発刊日 | 2015年3月25日 |
ISBN | 978-4-86428-117-1 |
体裁 | B5判並製本 189頁 |
価格(税込) |
48,600円 ( S&T会員価格 46,170円 ) 定価:本体45,000円+税3,600円 会員:本体42,750円+税3,420円 アカデミー割引価格34,020円 |
備考 |
【購入者特典】 本書の内容に関するご質問について、著者へメールによる問い合わせが可能です。問い合わせ対応期間は発刊日より一年間です。 |
発行 | サイエンス&テクノロジー |
問い合わせ |
(有)アイトップ TEL:0465-20-5467 E-mail:ktl@r4.dion.ne.jp フォームでのお問い合わせはこちら |
著者 |
材料技術研究所 技術コンサルタント 技術士[化学部門] 渡辺 聡志 氏 【著者紹介】 大手化学企業研究職を経て 1988年、旧東芝シリコーン株式会社入社。それまで業界では不可能視されていた数多くの高機能性シリコーン組成物を開発。また、シリコーンに適した新しい原材料開発を多分野に亘り成し遂げた。在職中の特許出願は100件を超え、学会講演や書籍執筆多数。 著者はシリコーンの専門家でありながら、ユーザー側から見た「シリコーン観」も理解共感できる希有な存在である。 |
趣旨 |
オイル、シーラント、接着剤、レジン、ゴム・・・と変幻自在に姿と機能を変えるシリコーン。その特性を把握し活用するためには、一般的に既存文献情報の理解が重要です。しかしシリコーンの場合、それらの情報発信は特定の大学とシリコーンメーカーに偏っているのが実情でした。その反作用として、化学的な論説ばかりが目立ち、工業材料としての弱点や応用技術のポイント、配合組成情報などが得られにくい状況が続いていました。これらが“シリコーンは、分かりにくい素材” と感じさせる一因でもありました。 本書は、既存のシリコーン情報提示の在り方とは一線を隔し、シリコーン全体像の理解から説く編集方針が取られています。その上で主要な製品カテゴリー別に特徴的な技術を整理し、活用のための基本的情報が具体的に説明されています。さらに、シリコーン組成物の自社開発を志す企業のために、ゴム組成物の配合設計技術に関する情報が分かりやすく解説されています。 本書が全てのシリコーンユーザーにとって一層の利用拡大と選択眼向上の一助となり、それが更なるシリコーン素材の躍進と拡大に寄与されることを願っています。 |
送料 | 当社負担(国内) |
≪ 本書のポイント ≫
【本書の特長】 本書には、今までの類書では望むことができなかった下記の “読者のための 3つの初めて” があります。 【1】 シリコーンユーザーの視点で編集された 初めての書籍 著者はシリコーンのユーザー技術者としての経験と、シリコーンメーカーの技術者としての顧客対応経験を、それぞれ10年以上に亘り有しています。自身でシリコーンメーカーが発信する技術情報の抽象性と非現実性を体験し、さらにシリコーンのユーザーが共通項的に間違いやすいポイントを理解しています。その稀有な経験が存分に活かされた書籍です。 筆者が講師を務めるシリコーン技術講演は「説明がとても分かりやすかった」という感想で占められています。その説明はそのままの形で、本書に投影されています。 このようなバックグウンドの中から誕生した本書は、既存書には期待できなかった「シリコーンユーザーの立場で書かれた、圧倒的な分かりやすい解説」で満ちています。 【2】 シリコーンゴムの配合設計技術に踏み込んだ 初めての書籍 現在では、東アジアのシリコーンメーカーからシリコーンポリマーの調達が可能になりました。それを受けて、自社でシリコーンゴムの配合設計を行いたいと考える企業は増加しています。しかし必要な技術情報に恵まれないために、ほとんど挫折しています。 本書には、市場流通しているシリコーンゴムの典型的な配合組成に関する諸情報が解説されています。 さらに、高分子組成物の配合設計を専門とする著者ならではの「新しいシリコーンゴム配合設計技術」までもが展開されています。 自社単独でのシリコーン配合技術確立が叶えられるばかりでなく、シリコーン技術者にとっても新しい配合設計指南書として、高い価値を発揮することを確信しています。 【3】 全ての章がひとりの著者で解説された 初めての書籍 製品分野ごとに、専任技術者を割り当てる体制を墨守しているのがシリコーン業界です。包括的なシリコーン技術書出版を企図すると、当然、製品の数だけ執筆者が必要となります。この弊害として「それぞれの木は見えるのに、肝腎な森の全体像がつかめない」という無視できない課題が残ります。さらに複数著者の技術力の違いがもたらす、記載内容の不均衡と論点の不一致は避けられませんでした。これらのことが「従来のシリコーン書籍の読みにくさ、分かりにくさ」を形成していました。 全項目を一人の著者が執筆している本書では、全ての章が同じ技術的難度と視点で統一され、製品分野ごとのシリコーンの比較考察までもが可能となります。全てのシリコーン製品の技術コンサルテイングを、10数年に亘り務めてきた著者ならではの包括技術が、読者の抱くシリコーンへの疑問を明解に解きほぐすことでしょう。
目次
第1章 教養としての基礎情報 1.シリコーンの誕生と工業化の歴史 ・ シリコンとシリコーンとシロキサン ・ シリコーン技術の萌芽と進展 ・ 「シリコーン」という言葉の誕生 ・ 日本におけるシリコーン工業の黎明期 2.生産財としてのマーケット展開の歩み 3.身近で活躍するシリコーン製品紹介 ・ 架橋反応を伴わない製品 ・ 架橋反応を伴う製品 4.シリコーンの製造方法 ・ メチル基を有するシリコーンの製造方法 5.主な有機ケイ素化合物 解説 ・ ケイ素と他の元素が結合する呼称 ・ シランとシリケート ・ 水素原子が関係する呼称 ・ ポリマーに特徴的な部分の呼称 ・ シルセスキオキサン 第2章 シリコーンの化学 1.分子論的考察 ・ 耐熱性の優れる理由 2.シリコーンの構成単位とポリマー ・ ポリマーの種類 ・ ビニル基量の表現方法 3.シリコーンの特徴を発現させる化学的要因 ・ 液体としての化学的特徴 ・ 架橋物としての化学的特徴 4.多様な架橋方式と特徴 ・ 一液型シリコーンの縮合架橋方式 ・ 二液型シリコーンの縮合架橋方式 ・ 付加型架橋方式 ・ ラジカル架橋方式 ・ 紫外線硬化方式 ・ その他の硬化方式 5.食品添加への許容と消泡のメカニズム 6.シリコーンの脆弱性 第3章 主なシリコーン製品の性質と扱い方の基本 1.シリコーンオイル ・ ストレートタイプシリコーンオイル ・ 留意すべき事項 ・ 変性タイプシリコーンオイル 2.シリコーンレジン ・ 「シリコーンレジン」に区分される3種類のシリコーン ・ シリコーンレジンの性能 3.液状シリコーンゴム ・ ジャンクションコーティング ・ 光ファイバーコーティング ・ エアバッグコーティング 4.ミラブル型シリコーンゴム ・ 混練技術 ・ シリカの識別法 ・ 有機ゴムとの相違点 5.その他のシリコーン製品 ・ シリコーングリースとシリコーンオイルコンパウンド ・ ハードコートレジン ・ PSA(Pressure Sensitive Adhesion) 第4章 シランカップリング剤の化学と選定 1.基本構造と化学的作用 ・ 分子的基本構造 ・ 反応機構 ・ シランカップリング剤の添加必要量の考え方 2.フィラー改質剤としての用法と留意点 ・ フィラーに添加効果が認められる事例の考察 3.ポリマー改質剤としての用法と留意点 ・ ポリエチレンの架橋 ・ 有機官能基の反応を利用したポリマー改質 4.カップリング効果を有する有機ケイ素化合物 ・ 双官能シラン ・ 反応性シロキサンオリゴマー 第5章 低留分揮発現象と対策技術 1.低留分問題の沿革 ・ 低留分問題が抱えるふたつの側面 2.低留分化合物の基本的性質 3.低留分除去の方法と測定 ・ 低留分量の測定 4.まとめと対応指針 第6章 シリコーン系接着剤の活用技術 1.縮合型液状接着剤の構成と留意点 ・一液型縮合接着剤の架橋タイプごとの選択指針 ・ 酢酸型 ・ オキシム型 ・ アルコール型 ・ アミノキシ型 ・ アセトン型 2.付加型液状接着剤の構成と留意点 ・ 使用上の留意点 3.UV硬化型液状接着剤の構成と留意点 第7章 高付加価値型シリコーンゴムの基本的な設計 1.耐熱性シリコーンゴム 2.難燃性シリコーンゴム ・ 難燃触媒としての白金化合物 ・ 一般的な難燃剤とシリコーンへの配合効果 3.導電性シリコーンゴム ・ 導電性付与材料との関係性 ・ 半導電性および静電気放散性付与の配合 4.熱伝導性シリコーンゴム 5.電波遮蔽性&電波吸収性シリコーンゴム ・ 電波遮蔽性シリコーンゴム ・ 電波吸収性シリコーンゴム 6.透明性シリコーンゴム 7.耐スチーム性シリコーンゴム 8.その他の特性を有したシリコーンゴム ・ 高引裂性シリコーンゴム ・ 高耐久性シリコーンゴム ・ 押出加工用シリコーンゴム ・ 電線用シリコーンゴム 第8章 シリコーンゴムの配合設計と製造技術 1.ポリマー調達における留意点 ・ 架橋点の選択 2.配合設計の基本技術 3.主充填剤であるシリカの配合論 ・ ゴムに対するシリカの作用 4.ポリマーブレンドが不可能な理由 ・ 広義のポリマーブレンドの可能性 5.シリコーンに適した混練装置 6.主な加工法と必要とされる加工技術 ・ プレス成型 ・ 押出成形 ・ カレンダー成形 ・ トランスファー成形 ・ インジェクション成形 第9章 応用展開を拡げるための情報 1.フッ素系化合物との比較 2.シリコーンの安全性を考える視点 3.近隣諸国のシリコーンメーカーと技術力 ・ 購入検討先としての韓国・中国のシリコーンメーカー 4.今後のシリコーン展開の方向性 オムニバスな あとがき