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プラスチックオプティカルファイバの基礎と実際 | AITOP
  • 申込要領

書籍


プラスチックオプティカルファイバの基礎と実際

発刊日 2000年7月31日
ISBN ISBN4-900830-59-3
体裁 B5判 上製 220頁
価格関連備考 本体41,600円+税
発行 (株)エヌ・ティー・エス
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TEL:0465-20-5467 E-mail:ktl@r4.dion.ne.jp
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監修 小池 康博  慶應義塾大学理工学部物理情報工学科教授
宮田 清蔵  東京農工大学生物システム応用科学研究科教授
(執筆者全16名)
趣旨 【本書の特徴】
次世代情報伝達媒体として注目を集めているプラスチックオプティカルファイバについて、光と物質の相互作用等の基礎から応用までを編集。ブロードバンド化を目指した新技術や、コネクタや光導波路等の周辺技術も解説した。

発刊によせて

  現在,ITが21世紀の経済活動の起爆剤になると期待されている。そのためにはインターネットの普及と同時にソフトやコンテンツの充実も欠かすことができない。これらは多くの人たちが利用して生産性を上げたり,生活を豊かにするのに使われる。また,コンピュータと映像技術の融合が起こり,三次元仮想空間によるリアリティの高いディスプレイも開発されるであろう。このような状況を考えると従来型の銅線をより合わせたツイスティドペアなどでは帯域性に難があり,十分な情報伝達路として機能しえなくなると考えられる。光通信技術はこのような問題をすべて解決できるものであり,すでに情報量の大きい幹線部では全国にその通信網が敷設されている。
  この場合,情報伝達媒体としてシリカガラス系光ファイバが用いられているが,その径は10〟m以下と極めて細いので特殊な技術者が必要であり,一般家庭において情報端末を購入したからといって,近くの電気屋さんに気軽に電話して接続してもらうことができない。接続コストの低減が一般家庭における高帯域情報端末の普及の「カギ」となり,日本経済再生の大きな要因になると考えられる。一方,高分子は柔軟性が高いので,0.5~10mm程度のファイバを作製しても,折れて体に刺さるようなことがなく安全である。また,径が大きくなることにより接続が極めて用意になるという利点を有している。もし各家庭に光ファイバが入り込むとするとその需要は莫大なものとなる。すなわち人体に例えれば大動脈系よりも毛細血管のほうがはるかに長いからである。
  このような状況を目の当たりにする今,現状におけるプラスチックオプティカルファイバの技術を総括し,今後の展望を述べることは時期を得ているといえよう。
  本書では,高帯域化に対しては,屈折率を2次曲線的に半径方向に制御したGIタイプの新技術が紹介されている。また従来,プラスチックオプティカルファイバは伝送ロスが大きいので長距離通信には困難であると考えられてきたが,フッ素系高分子ではガラスファイバを凌駕する高性能ファイバに関して開発者自らが貢献している。さらに通信用のみでなく,デコレインョン用ファイバとしての応用についても言及している。また当然,光と物質の相互作用を基礎とした基本的事項に関しても平易に解説しており,まさに基礎から応用までを,わが国の第一線の研究者たちによって書かれている。したがって,高分子の光ファイバの研究を始めようとする初心者からベテランの研究者にいたるまで,発想の源を触発し,さらに研究上の興味を満足させる内容になっているものと信じている。
  最後になったが,本書発行に際して快く原稿を引き受けてくださった執筆者の方々,並びに株式会社エヌ・ティー・エスの皆様,とくに原稿執筆の勇気と気力を与えてくれた,林恵子氏に感謝するしだいである。  
 
東京農工大学大学院  宮田 清蔵 
 
 

書籍・DVDの内容

第1編  基礎編 
第1章 導波光学の基礎   
第1節  幾何光学による光伝搬 
第2節  波動光学による光伝搬 
1. 平面波の伝搬と反射 
2. モードの概念 
第3節  伝搬によるパルスの拡がり 
1. 多モード導波路における分散 
2. 単一モード導波路における分散 

第2章 光ファイバの種類と伝搬特性 
第1節  光ファイバの種類と特徴 
第2節  ステップインデックス型光ファイバ 
1. ステップインデックス型光ファイバのモード 
2. 弱導波近似によるモードの扱い 
3. 分散曲線と単一モード条件 
第3節  分布屈折率型光ファイバ 

第3章  光伝送システムの構成 
第1節  光伝送系の基本構成 
第2節  帯域と伝送距離 
第3節  光源とファイバの結合 
 
第2編 プラスチック材料の光学特性 

第1章 化学構造と屈折率および光吸収 
第1節  屈折率 
第2節  光吸収 
1. 光損失 
2. 分子振動吸収 
3. 電子遷移吸収 
4. 含水による吸収 
5. その他の吸収損失 
6. POFの吸収損失限界 
7. POFの吸収損失低減 
7.1. 重原子置換効果 
7.2. 重水素化による光吸収抑制 
7.3. 重水素化POFにおける0-H吸収 
7.4. フッ素化による光吸収抑制 
7.5. 重水素化フッ素化による光吸収抑制 
8. 吸収の抑制における実用上の問題点 
 
第2章 高次構造と屈折率 
第1節  配向と屈折率 
第2節  延伸とポーリング 
第3節  光弾性複屈折 
第4節  緩和現象と屈折率 
第5節  液晶の屈折率異方性を利用した試み 
 
第3章  化学構造と光散乱 
第1節  はじめに 
第2節  レイリー散乱 
第3節  導波路の構造不完全性による散乱 
第4節  おわりに 
 
第4章  光学特性測定技術 
第1節  開口数 
第2節  屈折率 
1. プリズム法(最少偏角法) 
2. プリズムカップリング法 
3. 浸液法 
4. アッベ法 
5. 干渉法 
第3節  アッベ数 
第4節  吸収損失 
1. カットバック法による伝送損失測定 
2. スペクトルを考慮した光伝送損失 
第5節  伝送帯域 
1. 光ファイバの分散 
2. 伝送帯域測定法 
3. 材料分散測定法 
 
  
第3編 POF技術の現状

第1章屈折率分布型プラスチック光ファイバ 
第1節  はじめに 
第2節  GI型POFの開発と歴史 
第3節  GI型POFの伝送損失 
1. 散乱損失 
2. 吸収損失 
第4節  GI型POFの伝送帯域 
1. モード分散 
2. 材料分散 
3. プロファイル分散 
第5節  全フッ素化ポリマー系GI型POF 
第6節  おわりに 
 
第2章  光導波路 
第1節  はじめに 
第2節  ポリマー光導波路 
1. 導波路構造と導波路材料 
1.1. 導波路構造 
1.2. 導波路材料 
1.2.1. 屈折率制御 
1.2.2. 材料損失 
2. 導波路作製方法 
3 ポリマー光導波路の特徴 
第3節  ポリマー導波路素子の実例とその応用 
1. 光通信用シングルモード導波路素子 
1.1. デジタル型TOスイッチ 
1.2. AWGを用いた波長可変フィルタ 
1.3. Braggグレーティングを用いたアド/ドロップフィルタ 
1.4. 送受信モジュール 
2. 光通信用マルチモード導波路素子 
2.1. 45°ミラー付き導波路フィルム 
2.2. ボード間光インターコネクション用ポリマー導波路 
3. その他の応用 
4. POF用導波路素子 
4.1. 合流分岐部品 
4.2. 光アクセッサ 
4.3. スターカブラ 
第4節  おわりに 
 
第3章 光コネクタ 
第1節  はじめに 
第2節  光コネクタの基本的要求 
第3節  光ファイバの接続 
1. 損失の発生要因 
2. 位置決めによる損失 
2.1. 光の励振条件 
2.2. SI POFの位置ずれ 
2.3. GI POFの位置ずれ 
2.4. SI POFとGI POF 
2.5. POFと発光素子,受光素子の接続 
3. 端面成形による損失 
3.1. 端面成形における欠陥 
3.2. 端面の成形方法 
4. 屈折率差に起因する損失 
5. 光ファイバの構造パラメータの違いによる損失 
第4節  光コネクタの構造 
1. 光コネクタの構成 
2. 光ファイバの固定方法 
3. 光コネクタのロック機構 
第5節  光コネクタの例 
1. FO7形/PN光コネクタ 
2. 機器内配線用光コネクタ 
3. オーディオ用光コネクタ 
4. 車載用光コネクタ 
第6節  おわりに 
 
第4章  POF光伝送システム 
第1節  光伝送システムとは 
第2節  光伝送方式の分類 
第3節  光伝送システムと伝送距離 
第4節  光信号の特徴 
1. 空間伝送の光信号の特徴 
2. 光ファイバ伝送の光信号の特徴 
第5節  光ファイバ伝送システムの設計条件 
第6節  光信号の作成 
第7節  光ファイバの信号帯域 
第8節  光ファイバ伝送システムの設計試作例 
1. 波長多重ビデオ画像伝送システム 
2. 10BASE-T光ファイバ伝送システム 
3. WDM・TDM光ファイバ伝送システム 
4. WDM・CDM光ファイバ伝送システム 
第9節  エイトラムダ・フォーラム 
第10節 POF光技術の発展 
 
  


  
第4編 POF技術の課題と展望

第1章 最近の特許動向 
第1節  脚光浴びてきたプラスチック光ファイバ 
第2節  最近の特許例 
1. 照明用大口径耐熱プラスチック光ファイバ 
2. 住友電装の屈折率分布型プラスチック光ファイバ用プリフォームの製造方法 
3. 産学共同成果の有機・無機高分子複合体 
4. 住友電装のプラスチック光ファイバの線引装置 
5. 旭化成工業のマルチステップインデックス型プラスチック光ファイバ 
6. フジクラとNTTの袈空光ファイバケーブルの関係 
7. 東レの広帯域プラスチッククラッド光ファイバ 
8. 住友電気工業のプラスチック光ファイバ 
9. 東レの高帯域プラスチック光ファイバ 
10. 産学共同成果のプラスチック光ファイバ 
11. 古河電工と信越化学のプラスチック光ファイバ 
12. 三菱レイヨンのプラスチック光ファイバ 
13. 日本電気の光分散性光ファイバ 
 
第2章  展望 
第1節  車載光ファイバシステム 
1. はじめに 
2. 自動車の電子化と光ファイバ通信 
3. 自動車用光ファイバネットワーク 
4. 車載用光部品と展望 
4.1. 光スターカプラ 
4.2. 光分波合波器 
4.3. 光トランシーバモジュール 
第2節  ホームネットワーク 
1. はじめに 
2. ホームネットワークの胎動 
3. 長距離化に対する標準化動向 
4. POFとホームネットワーク 
5. ホームネットワークのプレーヤたち 
6. おわりに 
 
第3節  センサ 
1. 光電スイッチ 
1.1. スクリーンセンサ 
1.2. 限定反射センサ 
1.3. 細ビームセンサ 
1.4. 光沢センサ 
1.5. 微小スポットセンサ 
1.6. 液面センサ 
1.7. 耐屈曲センサ 
2. 生体センサ 
2.1. 心拍センサ 
2.2. 内視鏡 
3. 位置センサ,距離センサ 
3.1. 位置検出センサ 
3.2. 距離センサ 
4. 密着イメージセンサ 
5. GISセンサ 
6. その他のセンサ 
7. 今後の展望 
 
  
第3章  POFの市場動向,技術動向 
第1節  はじめに 
第2節  市場動向 
第3節  技術動向 
1. ファクトリオートメーション 
2. 自動車用通信分野 
3. ホームネットワーク 
4. 構内,宅内LAN配線 
5. 光インターコネクション(低スキュー光ファイバテープ心線) 
6. 光インターコネクション(光ファイバシート) 
第4節  おわりに