Warning: Unexpected character in input: '\' (ASCII=92) state=1 in /home/hansen/www/aitop/seminar/wp-includes/Requests/Hooks.php on line 70
ダイオキシン ~化学・分析・毒性~ | AITOP
  • 申込要領

書籍


ダイオキシン ~化学・分析・毒性~

発刊日 1999年10月28日
ISBN ISBN4-900830-43-7
体裁 B5判 上製 520頁
価格関連備考 本体51,800円+税
発行 (株)エヌ・ティー・エス
問い合わせ (有)アイトップ
TEL:0465-20-5467 E-mail:ktl@r4.dion.ne.jp
フォームでのお問い合わせはこちら
監訳代表 清水 剛夫  京都大学名誉教授/(株)関西新技術研究所取締役副社長
監訳 佐村 秀夫  (株)関西新技術研究所専務取締役 新素材研究センター長 渡辺 純一  (株)関西新技術研究所技術・産業コンサルティング部部長
翻訳 上条  泉  技術コンサルタント
趣旨 原書
『Dioxine Chemie,Analytik, Vorkommen, Umweltverhalten und toxkologie der halogenierten Dibenzo-p-dioxine und Dibenzofurane』
VCH(独)
原書著者
Karlheinz Ballschmiter/Reiner Bacher
【本書の特徴】
多様かつ複雑な「ダイオキシン」の全貌を詳細に分析・解明した1冊。ドイツ・ウルム大学の徹底的な研究がなし得た最も信頼性の高い知見を余すところなく紹介する。  

監訳にあたって

 初めて,ドイツ語で書かれた大部の著書,「Dioxine」を手にとったのは,ダイオキシン問題が遅ればせながら日本で盛んに報道されはじめて間もない頃である。ダイオキシン対策が遅れがちな日本に比べ,すでにこんな本が出ているということで感嘆した。というのもダイオキシンは,化学に関する限りにおいて,日本で先鞭がつけられた研究であるからであり,私もかなり以前からその高い毒性を耳にしていた。
  われわれは,物質的にも,エネルギー的にも,また経済的にも豊かな生活をせっかちに追い求めてきた結果,自然にはかつて存在しなかった有害物質を自然環境に放散させる結果となり,現在,いくつかの深刻な問題が起こっていることは周知のところである。一般に有害物質は単にローカルな場所での問題にとどまらず,全地球環境レベルで自然のエコロジーを撹乱するほどの人為的な大きい変化を与えるようになってきている。それらの撹乱因子は,一過性のものと残留性の大きいものに大別されているが,一過性のものでも,遺伝子損傷のようになると,その影響は世代を超えて残存し,その区別をすることは厳密には難しい。ダイオキシンは残留性の大きい有害物質の典型例である。またダイオキシンは,安定性の故に,ローカルな問題として扱われるものではなく,全地球規模で広がりつつある有毒汚染物質である。またダイオキシンの毒性については,早くから一部の研究者によって指摘されていたが,その構造の多様性のためその成因の追及,分析,毒性評価などに時を要していた。
  さらにダイオキシンは,今日においてだれもが知る有害汚染物質である。ダイオキシン生成の原料出発物質となる一部の含ハロゲン有機化合物が,今日でもなお,われわれの日常生活を便利にするためのプラスチックス,薬品,添加剤などの有機材料として多用されており,今後もそれらから発生するダイオキシンを無視することはできない。現在,ダイオキシンは非常に大きい社会問題として取り上げられているところであり,こうした状況にあってこそ,ダイオキシンに関して正確な知見を持つということはきわめて大事なことであるといえよう。
  こうした時に,ドイツ,ウルム大学のKarlheinz Ballschmiter教授とReiner Bacher博士による「Dioxine」が,1996年にVCH社から発行されたのである。この本の副題は,―化学,分析,発生,環境汚染,毒性―となっており,記述は詳細であり,結論の導出に対する慎重さの重要なことも教えてくれる。この本が発行されてから3年が経っているが,ドイツ語で書かれていたためか必ずしも日本では多く読まれていない。
  しかし,内容は今なお新鮮であり,ダイオキシンについての現在の基本問題そのものを偏することなく明確にしており,詳細である。それ故に,大部ではあるが一日でも早く翻訳して日本に紹介したいと願い,ここにようやく発刊に至った。
  発刊に際しては本翻訳書,すなわち「ダイオキシン」の日本語版の出版計画を快く受け入れて下さった著者Ballschmiterウルム大学教授とBacher博士に,この紙面を借りてお礼を申し上げる。
  また,翻訳は上条泉氏によって精力的に進められ,私がそれを監訳させていただいた。できるだけ原文に近い忠実な翻訳を残そうとしたため,ぎこちない訳文の個所もあるがお許しいただきたい。
  なお,原文に見いだされた明らかな誤植には訂正を加えた。
  最後に本書の製作を引き受けていただいた(株)エヌ・ティー・エスを評価するとともに,編集作業の裏方を果たしていただいた冨澤匡子氏の労に多大の感謝をする。
  この本が,多くの人々の傍に優れた必須の座右の書として置かれ,今後のダイオキシンの諸問題の解決に少しでも役に立てば幸いである。  
 
1999年10月  監訳者代表  清水 剛夫 

 
 

序文

80年代初頭まで「ダイオキシン」は,世論では大抵の場合,化学プラント事故との関連でしか取り扱われなかった。このような事故では,トリクロロフェノール生産の残余物が無配慮の化学反応を起こした結果,ダイオキシンが放出され,従業員がクロロアクネ(塩素タダレ)を患った。この種の事故で最も被害が大きかったものは,1976年7月に北イタリアの小都市イクメサで起きた事故で,トリクロロフェノール反応炉の内容物がセべソという名の村に降り注ぎ,400haもの土地が2,3,7,8-TCDD(テトラクロロジベンゾダイオキシン)で汚染された。このタイプのダイオキシンは,全部で210種もあるポリ塩化ジベンゾパラダイオキシンとジベンゾフランの中でも「セべソ・ダイオキシン」という痛ましい名のもとに有名になったものである。このような事故と,毒性が強く,なおかつ幅広く効力を持っていることから,多くの人々の間で「ダイオキシン」は,物質生産の裏でひそかに健康を脅かす危険物と同義語になった。
  しかし,ダイオキシンの歴史は分析的方法の発展を伴っている。分析法の発展によって,今日210種の化合物全部が実証され,検証限界値をmg(ミリグラム)/kg(ppm)からng(ナノグラム)/kg(ppt)以下に下げることを可能にした。分析方法は,6ないし7桁も感度が高められたのである。
  ウルム大学の分析化学および環境化学講座では,1980年にドイツで初めてゴミ焼却炉での大掛かりなダイオキシンの測定が行われた。もっぱらこのような作業の結果と運転上の経験から,ゴミ焼却炉でのダイオキシン排出減少措置法の発布と実施法が導入されたのである。西側工業諸国においてこの時期に行われた大掛かりな測定結果は,この執拗で生物濃縮性の物質を,熱処理と塩素有機物質の大型製造プラントが1940年代以来,偏在的に大地,河川と湖の沈降物,および食物連鎖の中で濃縮してきたことを明らかにした。
  ドイツも含めていくつかの工業諸国で大規模な予算枠をもって実施された研究は,とくにこの物質に起因する人体に対する幅広い毒性効果,そしてまた数多いダイオキシンの発生源の突き止め,その蔓延,分解および環境内での行方について明らかにすることを目的としていた。意外であったのは,例えば,ラインフェルデン地域にある工業廃虚地のように,ダイオキシンの歴史は,世紀の変わり目の頃に塩素アルカリ電解質が大規模な産業上のプロセスとして使われだしたときまでさかのぼることができるということであった。
  部外者あるいは実際に研究に携わる専門家の中でも,たった一つの物質群の研究のために,このような膨大な研究スタッフと予算が投入されるだけの正当性が,はたしてどこまであるのだろうか,という疑問を持った人がいたであろう。この疑問は,環境に対する影響についての研究がまだ比較的不十分な物質で,実際に使われているものがドイツだけでも約4,600種類,10jato(トン/年)以上も売買されている現実を見れば当然なことが納得できる。
  私は,この本で著述されている深い化学的知識,分析技術,およびダイオキシンの環境に対する影響が,ほかの物質においても利用できるものであることを確信している。最新の研究成果に基づくこのダイオキシンの標準的な著作を注意深く読んでいただくと,ダイオキシン問題だけではなく,基本的に化学,環境分析,執拗に残留し濃縮されるすべての物質の蔓延と分解という問題に関して記述されていることが分かる。この本に収集されている多くの学問的知識は,環境に対して問題を起こす物質の評価に対して基本的な内容を持っており,そのためこの本は,部分的に物質評価のための手引きとしても役立つものである。また,この著作を読むことによって,物質に由来する危険性に関するわれわれの知識というものには常に一定の限界があるものだという認識を与えてくれる。
  物質の取扱いを事前に注意深く行う方が,後から被害を取り除くよりも常にコスト的に安い。われわれはいままでにない,持続的に環境にストレスを与えないような物質の取扱いを行うことを要請されている。そのためには,ドイツ連邦議会の諮問委貞会の最終報告「人間と環境の保護」で要請されているように,物質の生産と取扱いにあたって,自然の摂理のすべての機能,とくにデリケートな自己制御機能に配慮をしなければならない。  
 
1996年5月,ベルリンにて  Horst NeidIlard 

まえがき

「ダイオキシン」は20年の密度の濃い学術的研究と議論を経た今日,マスメディアからもっぱら「古い情報」として片づけられがちである。しかし学問レベルでは,特定の問題提起の面でまだまだ掘り下げるべき問題があり,しばしば新たな発見を報告することができるということは注目に値することである。
 私たちは,「ダイオキシン」のテーマをできる限り総合的に紹介するように努力した。これによって初めて,一つ一つの重要点がほかの問題提起によって強調ないし相対化されるからである。それぞれの章には,各々テーマごとに関連領域の前後参照を挙げておいた。原則的にこれらの章は,内容的に独立したものとして書かれたものであるため,部分部分での重複を完全に避けることはできなかった。
 きわめて幅広く,批判的に原典には目を通したが,重要な論文が欠けていた場合は大めに見ていただきたい。これは意図的にしたことではない。引用した文献は,該当する問題にとって代表的なものであり,あるいは報告書としての性格からより詳しい調査結果を得ることができるものである。
 原稿を批判的に読み直していただいたアウグスブルグのM.Swerev博士,バーゼルのB.Schatowitz博士にはこの場を借りてお礼を言いたい。
 また,E.Schlunck女史には,疲れを知らずに校正してくれたことに感謝したい。
 ウルムのG.Kaiser博士には図の最適化に協力していただいたことにお礼を言いたい。  
 
1996年7月,ウルムにて  K.Ballsehmiter
R.Bacher 

書籍・DVDの内容

第1章 序論’環境問題としてのダイオキシン  

第1節 環境化学物質としてのダイオキシン 
第2節 ダイオキシンの生成 
第3節ダイオキシンの生成と生成の秤量
第4節 ダイオキシンの実際の汚染経路 
第5節  臭素化ダイオキシンおよびダイオキシン類似体 
 
  
 
 第2章 分子構造と命名法

第1節 分類 
第2節  命名法 
1. IUPACの命名法 
2. 略記法 
3. 文献における体系的命名法 
 
 

  
第3章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の物性

第1節 物理的および物理化学的性質 
1. はじめに 
2. 分子量 
3. 融点と沸点 
4. 蒸気圧 
5. 水溶解度 
6. n-オクタノール/水分配係数(kow),水/沈降泥分配係数(kcc),生物濃縮係数(BCF) 
7. 有機溶媒溶解度 
8. ヘンリー定数 
9. 熱力学的データ 
第2節  分光学的特性 
1. はじめに 
2. 核磁気共鳴(NMR)分光法 
3. UV分光法 
4. 赤外(IR)分光法 
5. 質量分析法(MS) 
5.1. ダイオキシンのEI質量スペクトル 
5.2. ダイオキシンのPCI質量スペクトル 
5.3. ダイオキシンのNCI質量スペクトル 
第3節  分子物性 
1. 分子構造 
2. 分子パラメータ 
 
  

  
第4章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の生成

第1節 ダイオキシンの低温生成の化学83 
1. 低温時の(<300°C)化学反応による生成 
2. 光化学反応による生成 
2.1. PXDFの生成 
2.2. PXDDの生成 
3. 工業的塩素化プロセスおよび漂白プロセスによる生成塩素漂白プロセス 
3.1. 塩化ナトリウム電気分解 
3.2. ベンゼンの塩素化によるベンゼンヘキサクロリド(BHC)----殺虫剤γヘキサクロロシクロヘキサン(LINDAN)の工業的合成 
4. 酵素反応による生化学的生成 
第2節 ダイオキシンの熱生成の化学 
1. 不完全燃焼における一般的化学反応過程 
2. ダイオキシンの合成 
2.1. 炭化水素の例における酸化現象の過程 
2.2. ハロゲン化反応 
2.3 ダイオキシンの合成の優先的反応経路 
3. 不完全燃焼におけるダイオキシン類似構造のポリハロゲン化芳香族の生成 
 <ポリハロゲン化PAH> 
第3節 標準化合物の調製 
1. 一般的緒言 
2. 縮合反応によるPXDDの合成 
2.1. ハロゲン化フェノールおよびハロゲン化フェノラートの熱分解 
2.2. ハロゲン化ピロカテキン(カテコール)を使用した縮合 
3. 環化反応によるPXDFの合成 
3.1. ハロゲン化オルトアミノジフェニルエーテルの環化 
3.2. ハロゲン化2,2’-ジフェノールおよび2,2’-ジフェニルトシラートの環化 
3.3. ハロゲン化ジフェニルエーテルの環化 
3.4. ハロゲン化ビフェニルの熱分解 
4. ジベンゾパラダイオキシンおよびジベンゾフランの基本骨格のハロゲン化・脱ハロゲン化・ハロゲン交換の反応によるPXDD/PXDFの合成 
4.1. ジベンゾパラダイオキシンおよびジベンゾフランの塩素化 
4.2. ジベンゾパラダイオキシンおよびジベンゾフランの臭素化 
4.3. ハロゲン置換反応およびハロゲン交換反応による塩化・臭化ダイオキシンの調製 
4.4. UV水素化脱ハロゲン置換によるダイオキシンの調製 
4.5. 銅を触媒とした水素化脱ハロゲン置換によるダイオキシンの調製 
第4節 ダイオキシンの化学的および熱的分解 
1. はじめに 
2. 酸およびアルカリによるダイオキシンの分解 
3. 酸化剤および還元剤によるダイオキシンの分解 
4. 光によるダイオキシンの分解 
5. ダイオキシンの熱分解と熱生成削減のための措置 
 
  
 

  
第5章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の分析に関する方法論 

第1節 ダイオキシン分析の用件 
1. 分析プロセス 
2. 分析対象の選択と試料の採取 
3. ダイオキシンの化学的分析法 
4. 試料の前処理 
5. 測定段階 
6. 測定限界 
7. 分析判定基準 
8. 分析過程の質的管理と保証 
第2節  試料採取と試料前処理 
1. 空中試料の採取 
1.1. 汚染環境の試料採取 
1.2. 汚染(排出)源における試料採取 
2. 水中試料の採取と前処理[Buser 1991] 
3. 土中試料の採取[Buser 1991] 
4. 生物試料の採取 
第3節 試料前処理と抽出 
1. はじめに 
2. 試料の前処理と液・液抽出 
2.1. 水 
2.2. 生物体液 
2.3. 液状有機マトリックス(動物性油脂,廃油,その他) 
3. 試料の前処理と固・液抽出 
3.1. 空中試料(汚染環境・汚染源)からの固体試料 
3.2. フィルター灰じん試料(飛灰)・燃えがら・すす 
3.3. 土壌,底質,下水汚泥 
3.4. 生物試料および食物 
4. 試料の前処理と超臨界流体による抽出(SFE) 
第4節  クリーンアップ(マトリックス)分離プロセス 
1. はじめに 
2. クリーンアップの一般的プロセス過程 
2.1. 化学薬品と使用するガラス器具 
2.2. 溶液の濃縮 
2.3. ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC) 
2.4. ポリスチロールゲル・バイオビーズS-X3によるゲルろ過クロマトグラフィー[Hagenmaier et.al.1987] 
3. ダイオキシン(PXDD/PXDF)分離のための液体クロマトグラフィー(LC) 
3.1. 酸化アルミニウム 
3.2. 大型・酸化アルミニウムカラム 
3.3. 小型・酸化アルミニウムカラム 
3.4. 化学修飾をしていない,ならびに化学修飾をしたシリカゲル 
3.5. フロリシル 
3.6. フロリシルカラム 
3.7. 炭相 
3.8. CarbopackC用の手順[Riehle1990] 
4. ダイオキシン(PXDD/PXDF)の高速液体クロマトグラフィー(HPLC) 
5. 分配プロセスによるクリーンアップ分析法 
 <化学反応が付随する分配> 
第5節 ダイオキシンの分析方法に対する提案 
1. 公式な方式に関する提案 
2. 分析方法について 
 
  
 

  
第6章 キャピラリーガスクロマトグラフィーによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の異性体分離

第1節 序論 
第2節 キャピラリーガスクロマトグラフィーによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の分析条件の選択 
1. 分離カラム 
2. 注入技術 
3. その他の典型的な分離・分析条件 
3.1. キャリアガス 
3.2. カラムオーブンの温度プログラム 
3.3. 連結方式の場合のインターフェース 
第3節 いくつかの分離相を例としたキャピラリーガスクロマトグラフィーにおける
 ダイオキシン(PXDD/PXDF)分離の選択性 
1. はじめに 
2. ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)のハロゲン同族体グループの分離 
3. ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の異性体分離 
4. 保持時間の構造依存性 
 
第7章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の検出と定量

第1節 各種のガスクロマトグラフィーの検出方式の特徴と用法 
1. フレームイオン化検出器による検出(GC/FID) 
2. 電子捕獲検出器による検出(GC/ECD) 
3. 原子発光検出器による検出(GC/AED) 
4. 赤外分光法による検出(GC/IR) 
5. 質量分析計による検出(GC/MS) 
第2節  質量分析計検出併用のキャピラリーガスクロマトグラフィーによる
 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の定性と定量 
1. 概説 
2. GC/MSによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の同定 
3. GC/MSによるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の定量 
3.1. 定量用標準物質 
3.2. 質量分析計検出の際の応答挙動 
3.3. 外部標準物質による定量法 
3.4. 内部標準物質を使用する方法 
3.5. 標準物質の入手 
第3節 クロマトグラフ以外の技術によるダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の定量 
 <各種分析技術法> 
    
第8章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の存在状態

第1節 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の発生源と物質パターン 
 <分類基準> 
第2節 ハロゲン化物の工業プロセス 
1. 概説 
2. クロロフェノール 
3. クロロフェノキシ酢酸とその誘導体 
4. ポリ塩化ビフェニル(PCB) 
5. その他の塩素有機化合物中にみられるPCDD/PCDF不純物 
6. 塩素を使用するパルプ・製紙工業の生産工程 
7. 塩素の生産と使用 
8. 繊維製品の洗浄 
9. 臭素系難燃剤 
第3節  ダイオキシン発生源としての熱プロセス 
1. 概説 
2. 廃棄物焼却施設 
3. 流動層方式による下水汚泥の焼却 
4. 化石燃料ベースの発電所 
5. 鉱石からの一次金属生産 
5.1. 非鉄金属 
5.2. 鉄 
6. 熱処理による二次金属生産と金属回収のプロセス 
6.1. 鉄鋼生産 
6.2. 非鉄金属の回収プロセス 
7. 家庭用燃料の燃焼 
8. 内燃機関(自動車関連の排出) 
9. 火災 
10. 天然物の燃焼(バイオマス燃焼) 
第4節  二次発生源'一次汚染の集積 
1. 下水汚泥中のダイオキシン(PXDDおよびPXDF) 
2. コンポスト 
3. 室内使用の木材保護剤 
4. 廃油 
5. 古廃棄物 
第5節  環境試料中のダイオキシン 
1. 外気 
2. 水および沈降汚泥 
3. 土壌 
4. 植物の表面および内部 
5. 水生および陸生生物 
6. 人体 
7. 食品試料中の存在 
第6節  ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)汚染総量の総括 
 <現在の状態> 
   
第9章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の環境挙動
 
第1節 序論 
  <環境化学物質としてのダイオキシン> 
第2節 環境条件下での変換 
1. 非生物学的分解:光分解による変換と分解 
 <光分解の構造依存性> 
2. 非生物学的分解:光酸化による変換と分解 
3. 非生物学的分解:加水分解 
4. 生物学的分解:細菌および真菌類による変換と分解 
5. 生物学的分解:より高度な有機体における変換と分解 
第3節  種々の環境におけるダイオキシンの拡散・移動・変換 
1. 大気 
2. 水および沈降汚泥 
3. 土壌 
4. 生物相における蓄積 
5. 環境中の分布のモデル計算 
第4節  環境試料中におけるダイオキシン残留量の経時変化の傾向 
 <各種マトリックスについての最近の研究結果> 
    
第10章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の分析におけるパターン認識方法

第1節 序論 
第2節 パターン認識およびパターン解析 
1. 原データの変換 
2. 類似係数 
3. 簡単な相関分析 
4. 多変数データ分析 
 
第11章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の毒物学的特性

第1節 序論 
 <ダイオキシンの毒物学的特性の論議> 
第2節 ダイオキシンの毒性の比較評価 
 <毒性等価係数[ECETOC1992]> 
第3節  毒物動態論 
1. 吸収および分布 
2. 代謝および排泄 
 第4節  毒物ダイナミックス----作用メカニズム 
1. 序言 
2. 作用メカニズムの理論 
第5節  毒物ダイナミックス----急性毒性 
1. 動物実験の研究結果 
2. 人間の急性中毒に関する経験 
第6節  毒物ダイナミックス----慢性毒性 
1. 動物実験および試験管内研究の結果 
2. 人間の慢性中毒に関する経験 
第7節  結論 
1. 人体への許容摂取量についての提言 
2. ダイオキシンの一般的リスク評価 
 
第12章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)に関する法的規制

第1説 ドイツ連邦共和国における規制 
1. 化学物質法 
1.1. 化学物質禁止条令[Chem Verbots-V 1994]  
1.2. 危険物質条令[改正Gef Stoff-V 1993] 
2. 危険物輸送法 
3. 環境汚染防止法 
4. 廃棄物法 
5. 下水汚泥条令 
6. 労働保護法 
7. その他の提言 
第2節  ヨーロッパにおける規制 
 <国レベルの規準およびEUの提言> 
第3節 ヨーロッパ以外における規制 
1. 米国における規準 
2. 日本における規準 
 
  
第13章 ダイオキシン(PXDDおよびPXDF)の取扱い

実務要領 
1. はじめに 
2. 実験室の設備についての要件[VDI1993,CEN1992,BGChemie1989] 
3. 作業従事者についての要件[Beck1983] 
4. 実験室運営に関する行動規準[Beck1983,Young1983] 
5. 記号 
 
付録A 
A-1. PXDD/PXDF物質群の分子イオンクラテスターの質量表 
A-2. PCDD/PCDFならびにPBDD/PBDFのEI質量スペクトルにおける特徴的な指標質量と強度比率 
A-3. EI質量スペクトルにおけるPXDD/PXDF物質群の分子イオンクラテスターの図形表示 
 
付録B 
B-1. 頻繁に使用される各物質群の略語 
B-2. 本文および文献中で頻繁に使用されるその他の略語 
 
付録C 
C-1. US EPAメソッド8280 
C-2. GC/MSによる四塩化-八塩化ダイオキシンおよびフランの分析