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環境にやさしい21世紀の化学 ~新版グリーンケミストリー入門~ | AITOP
  • 申込要領

書籍


環境にやさしい21世紀の化学 ~新版グリーンケミストリー入門~

発刊日 2005年2月
定価 本体2,700円+税
頁数 332頁
造本 A5
ISBN ISBN4-86043-077-8
発行 (株)エヌ・ティー・エス
問い合わせ (有)アイトップ
TEL:0465-20-5467 E-mail:ktl@r4.dion.ne.jp
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監修
  編著
 安保 正一  (大阪府立大学)
 水野 一彦  (大阪府立大学)
編集委員
  編著代表

 安保 正一	 	 
 水野 一彦	 	 
 執筆者(執筆順)

 坂東  博	 	 
 安保 正一	 	 
 松岡 雅也	 	 
 井上 博史	 	 
 水野 一彦	 	 
 小川 昭弥	 	 
 白井 正充	 	 
 河野 健司	 	 
 岡  邦雄	 	 
 辰巳砂昌弘	 	 
 八尾 俊男	 	 
 中澄 博行	 	 
 ※編著代表・執筆者ともに大阪府立大学所属
趣旨 【本書の特徴】
「環境に優しい持続可能な化学と化学技術」、「有害な物質を使わない、つくらない、出さないグリーンケミストリー」、この化学理念を徹底・浸透させる目的の学部学生向けの教科書。グリーンケミストリーの概念と化学を学ぶことの意義を理解してもらうと同時に、化学の魅力と面白さを知ってもらうため、化学の基礎から応用にわたる幅広い分野を大阪府立大学応用化学科の全教授がグリーンケミストリーに基づいて各専門分野の内容を易しく解説している。

発刊にあたって

 
序文


 私たちの身の回りのほとんどのものが石油から製造されている。化学の知識と技術によって私たちは、石油からありとあらゆるものを作ってきた。軽くて綺麗で便利で役に立つあらゆる製品を製造することで、豊かで快適で平和な生活を手に入れることが出来るはずであった。しかし、多くの石油資源とエネルギーを消費し、天然物に勝るより強くて安定な新しい多くの人工のものを作り、またその生産過程で膨大な副産物や二酸化炭素や窒素酸化物(NOx)などを排出し続けてきた。その結果、20世紀の終わり近くになって、大気や河川湖沼水などの地球規模の環境汚染が、人類の生存を脅かす形で、私たちの前に深刻な緊急の大問題として立ちはだかってきた。
 21世紀に入り、これら深刻な環境汚染を克服し、よりよい地球環境の保全を達成して行く上で、環境に優しく持続可能な化学と化学技術とは何かが今強く問われており、これまでの化学と化学技術の見直しが迫られている。すなわち、これまでの高品質なものを安価に大量につくればよいという過去の時代から、ものをつくるための原料の選択はもとより、製造過程から使用後の処理方法に至るまでを考慮し視野に入れた、地球環境に優しく、エネルギー負荷が少なく、有害な副産物を出さない高効率で高選択的な化学工業を実現しなければならない時代となっている。例えば、二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球の温暖化、NOxやフロンガスなどによる大気汚染とオゾン層破壊、ダイオキシンなどの有害物質や環境ホルモンによる河川水や土壌汚染など、地球規模での環境汚染問題を解決するために、クリーンなエネルギー源の確保、化学製品の再利用と再資源化をも考慮した、「環境に優しい持続可能な発展が望める化学と化学技術」、すなわち「グリーンケミストリー」の概念が新しく導入されなければならない。
 このような観点から大阪府立大学工学部応用化学科では、「環境に優しい持続可能な化学と化学技術」、「有害な物質を使わない、つくらない、出さないグリーンケミストリー」の化学教育と研究に取り組んでおり、この化学理念を徹底・浸透させる目的で、新入生を対象に応用化学科の全教授がグリーンケミストリーに基づいた各専門分野の内容を易しく講義している。本書は、これらの講義内容を中心に、グリーンケミストリーの概念と化学を学ぶことの意義を学び取ってもらうと同時に化学の魅力と面白さを知ってもらうため、化学の基礎から応用にわたる幅広い分野を平易に書き表した入門書である。
 本書は全11章からなり、第1章では、地球環境の現状を紹介し、環境化学の立場からグリーンケミストリーを概説する。第2章では、地球上に無尽蔵に降り注ぐ太陽光の化学的利用という観点からそのクリーンなエネルギーを使った地球環境の保全について述べる。第3章では、石炭、石油、原子力等の現代のエネルギーに替わる環境に優しい水素エネルギーの貯蔵と利用についての現状と将来性について解説する。第4-7章では、有機化学、有機合成化学、有機工業化学、高分子化学の立場から環境に調和した私たちの身の回りの有機化合物や高分子化合物の合成とその使い方,さらには高分子材料の生命科学への応用について易しく説明する。第8-9章では、無機高分子材料としてのシリコーンや先端無機材料としてのガラスの従来知られていない新しい性質など身近な無機物質についてわかりやすく解説する。第10章では、生体機能を利用した化学センサーの現状と利用について述べ、第11章では、応用の立場から環境を意識したカラー画像の形成技術についてまとめてある。
 日本は近年化学技術・化学工業の分野で世界のトップクラスを維持してきた。21世紀になった今,「環境に調和した、環境に優しい持続可能な化学と化学技術」と「グリーンケミストリー」の理念に基づき、今後も世界の化学・化学技術の分野においてリーダーシップを発揮できるか否かはひとえに次世代の若い化学者の熱意と意欲にかかっている。本書を一人でも多くの若い方々が読んで,化学の有用性を学び、化学と化学技術とは何か、グリーンケミストリーとは何かに興味を持って、人類が安全で快適な生活を過ごせるように、次世代の若者が大きく貢献してくれることを期待したい。

水野 一彦

 
 

書籍・DVDの内容


第1章 地球環境の特徴と環境化学


	
 はじめに
 
	
 地球環境の化学的性質
 
	
 地球大気の組成
 
	
 地球大気組成の変遷
 
	
 高酸素大気の働き
 
	
 おわりに
 
第2章 太陽光の科学的利用と環境保全


	
 はじめに
 
	
 環境にやさしい太陽光エネルギー
 
	
 光触媒を用いた太陽光の化学的エネルギーへの変換―光触媒はどのようにして働くのか―
 
	
 太陽光と光触媒を利用する環境保全への道
4.1	水の完全分解による水素の製造
4.2	二酸化炭素の水による還元固定化(人工光合成)
4.3	窒素酸化物(NOx)で汚染された空気の清浄化
 	
4.4	住環境での汚れや悪臭物質の分解除去
4.5	ダイオキシンなどの有害物質で汚染された水の無害化・清浄化
4.6	曇らなく汚れないクリーンなアメニティ空間を創る
 
	
 太陽光を有効に利用できる新しい光触媒とクリーンなエネルギー創製
5.1	可視光で作用する光触媒の意義と重要性
 	
5.2	新しいタイプの太陽電池開発への期待
 
	
 太陽光を利用する新しい化学技術の芽生えと今後への発展
 
第3章 環境にやさしい水素エネルギー


	
 はじめに
 
	
 水素の性質および特徴
 
	
 水素の製造
3.1	化石燃料からの水素製造
 	
3.2	非化石燃料からの水素製造
 
	
 水素の貯蔵
4.1	圧縮ガスとしての貯蔵
4.2	液体水素としての貯蔵
 	
4.3	水素貯蔵材料による貯蔵
 
	
 水素の利用―燃料電池
5.1	燃料電池の原理
5.2	燃料電池発電と火力発電
5.3	燃料電池の一般的特徴
 	
5.4	燃料電池の種類
5.5	固体高分子(電解質)型燃料電池
 
	
 おわりに
 
第4章 環境に調和した有機合成化学


	
 はじめに
 
	
 有機合成化学におけるグリーンケミストリー―環境負荷特性と原子効率―
 
	
 有機合成反応の分類
3.1	原子効率の高い反応:付加反応と転位反応
 	
3.2	原子効率の低い反応:置換反応と脱離反応
 
	
 環境に調和した有機合成反応の具体例
4.1	原子効率を考慮した有機合成
4.2	アジピン酸の合成
4.3	水を溶媒とする合成反応
4.4	超臨界流体を溶媒とする合成反応
 	
4.5	毒性の強い化合物を用いない有機合成
4.6	遷移金属錯体を用いる酸化反応
4.7	マイクロ波を用いる有機合成
4.8	光を用いる有機合成
 
	
 おわりに
 
第5章 環境にやさしいフッ素テクノロジー


	
 はじめに
 
	
 フッ素の性質質
 
	
 フッ素資源
 
	
 フルオロカーボンの物性
 
	
 フルオロカーボンの利用
 
	
 フロンの性質と利用
 
	
 フロンガスと地球環境
 
	
 フッ素と生理活性
 
	
 有機合成におけるフッ素系溶媒
 
	
 代替有機溶媒としての含フッ素溶媒
 
	
 フッ素官能基の導入
 
第6章 環境にやさしい高分子材料-つくり方と使い方-


	
 はじめに
 
	
 高分子とプラスチック
 
	
 環境にやさしい高分子の合成
3.1	汎用高分子の合成方法の工夫
3.2	酵素や微生物を利用する高分子合成
 	
3.3	天然高分子の化学修飾
 
	
 環境にやさしい高分子材料の使い方
4.1	高分子材料の長寿命化技術
4.2	プラスチックのリサイクル
 	
4.3	生分解性(微生物分解性)高分子
 
	
 おわりに
 
第7章 生命高分子のテクノロジー-


	
 はじめに
 
	
 タンパク質
2.1	タンパク質の構造
2.2	タンパク質の機能
 	
2.3	核酸の構造と機能
2.4	脂質膜の構造と機能
 
	
 生命高分子を用いる機能材料
3.1	触媒機能をもつタンパク質
3.2	酵素の修飾
3.3	生命高分子の医療分野への応用
 	
3.4	ドラッグデリバリーと生命高分子
3.5	生命高分子と診断材料
 
	
 おわりに
 
第8章 無尽蔵の資源からつくる高分子-シリコーン


	
 はじめに
 
	
 ケイ素工業とシリコーンの合成法
2.1	ジメチルクロロシランモノマー合成(直接法)
 	
2.2	シリコーン高分子製造法
 
	
 シリコーンの基礎的な特性
3.1	ケイ素の特性
3.2	Si―O結合の特性
 	
3.3	シリコーン分子全体としての構造と特性
 
	
 シリコーンの利用法
4.1	シリコーンオイル
4.2	変性シリコーン
 	
4.3	シリコーンゴム
4.4	シリコーンレジン
 
	
 おわりに
 
第9章 先端無機材料のデザインと合成


	
 はじめに
 
	
 物質の三態
 
	
 単結晶と多結晶、ガラス
 
	
 物質と材料
 
	
 先端材料の実例1―花弁状アルミナ薄膜
 
	
 ゾル―ゲル法
 
	
 撥水―親水パターンを利用したマイクロレンズアレイの作製
 
	
 先端材料の実例2―高イオン伝導材料β―アルミナ
 
	
 全固体電池の実現に向けた固体電解質材料の開発
 
	
 おわりに
 
第10章 生体機能をモチーフとしたセンサー化学


	
 はじめに
 
	
 酵素反応を用いる自動計測法
2.1	酵素の固定化方法
 	
2.2	測定方法
 
	
 バイオセンサー
3.1	酵素センサー
3.2	免疫センサー
 	
3.3	DNAセンサー
3.4	生体内(in vivo)計測
 
	
 バイオミメティック(生物模倣)センサー
4.1	人工酵素
4.2	分子鋳型(モレキュラーインプリンティング)ポリマー
 	
4.3	人工レセプター
 
	
 バイオチップ
 
	
 おわりに
 
第11章 エコフレンドリーな着色・画素形成技術


	
 インクジェット
 
	
 インクジェットの印刷原理
 
	
 インクジェット用インク
 
	
 プリント倶楽部
 
	
 ポイントカード
 
	
 ノーカーボン紙
 
	
 着色ガラスびん