山本　貴尋	　	（テクニカルコンサルタント）

【本書の特徴】

●プロセスの微細化・高集積化で開発費が高騰する中、安価・時短に製品を供給可能とするターンキーというビジネス体系。合理化とコストダウンを実現。
●従来LSI製品だけの事業形態であったターンキーは、近年太陽電池にも取り入れられ、注目を浴びています。
●半導体メーカーのターンキービジネスの市場動向情報を必要としている関連業界すべてのかたへお勧めの報告書！

刊行にあたって

　

　ターンキーとは、顧客がキーを回せば、設計から最終製品完成までのプロセスが始まり、安価で時短により、所望の製品を供給可能とするようなビジネス体系をいう。従来，LSIの開発、量産は，半導体の設計・開発から生産・販売までを一貫して行う垂直統合型の半導体メーカー（IDM：integrated device manufacturer）に依頼することが一般的であったが、ターンキーはそれよりもコスト的な優位性を見出したのである。
　ターンキーを請け負った設計業務を中心とする半導体ファブレスメーカー は顧客の企画を基に自社で設計する場合が多く、その後のウェハファンドリ、アセンブリ・テストハウスはその提携メーカーを利用する。
　昨今、プロセスの微細化、高集積化で開発費が高騰しており、近年の韓国、台湾メーカーで苦戦を強いられている国内大手半導体メーカーの中には、ターンキーを利用することによって、合理化とコストダウンを実現させているメーカーも少なくない。また、セットメーカーにおいても、自社でLSIを開発したいが、製品の企画だけに専念して、手っ取り早く、所望のLSIの入手を可能としている。そのようなことから、ターンキービジネスに新規参入 を計画する中小の半導体ファブレスメーカーが増加傾向にあるという。従来は、ターンキーはLSI製品だけの事業形態であったが、最近では太陽電池にも取り入られている。

　そこで、筆者は、国内半導体メーカーのターンキービジネスの現状の市場動向、今後の展望の調査分析を行なった。このような半導体メーカーのターンキー ビジネス扱った書籍の刊行は国内の出版社、調査会社でははじめての試みとなり、半導体業界及び、関連業界から、当市場調査報告書の出版を待ち望まれていたと思われる。
　今後、ターンキー新規参入を計画するかどうか手探り状態である半導体メーカーも少なくないと推測され、当報告書はそれらの指針になりうるだろう。

　最後に、半導体メーカーのターンキー ビジネスの市場動向情報を必要とされる関連業界の方々に参照、活用され、業界の発展に貢献できれば、幸いである。 


　2011年11月

　テクニカルコンサルタント　山本貴尋
 
 

書籍・DVDの内容

Ⅰ．国内ターンキー市場の現状と展望


1.	将来性
2.	IC品種別の動向
3.	アプリケーションの動向
　	
4.	ターンキーの各工程の委託メーカーについて
5.	国内ターンキーメーカーの主な業務戦略
　
Ⅱ．国内半導体メーカーのターンキービジネスの動向


1.	シリコン・アーティスト・テクノロジー(株)
1.1	事業概要
1.2	売上について
1.3	ターンキーの各工程の委託メーカーについて
1.4	各工程の委託メーカーに対してのコントロールについて
1.5	コーディネーターについて
1.6	今後の戦略について
2.	ディー・クルー・テクノロジーズ(株)
2.1	事業概要
2.2	売上について
2.3	ターンキーの各工程の委託メーカーについて
2.4	各工程の委託メーカーに対してのコントロールについて
2.5	コーディネーターについて
2.6	今後の戦略について
3.	(株)トッパン・テクニカル・デザインセンター
3.1	事業概要
3.2	売上について
3.3	ターンキーの各工程の委託メーカーについて
　	
3.4	各工程の委託メーカーに対してのコントロールについて
3.5	コーディネーターについて
3.6	今後の戦略について
4.	シリコンソーシアム(株)
4.1	事業概要
4.2	売上について
4.3	ターンキーの各工程の委託メーカーについて
4.4	コーディネーターについて
4.5	営業について
4.6	今後の戦略について
5.	ステディデザイン(株)
5.1	事業概要
5.2	売上について
5.3	ターンキーの各工程の委託メーカーについて
5.4	コーディネーターについて
5.5	営業について
5.6	競合他社について
5.7	今後の戦略について